第7回:眠れる電車音楽の秘密(前編)
~「揺らぎ」がもたらすリラクゼーション~

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トップ・スペシャリスト

板東 浩

医学博士

日本抗加齢医学会評議員

日本統合医療学会四国支部長

あなたは、自分の脈に触れたことがありますか? 

 

その方法を簡単に伝授しましょう。

左手首の親指側にある橈骨動脈の脈拍動を探してください。

そして右手の第2,3,4指の3つの指先で、右図のように触れてみてくれますか? 

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私は内科医なので微妙な感覚がわかります。

第2指で若干押し込んだ際に、3,4指で触れる拍動の度合いで、おおむね血圧がわかるのです

- 目次 -

1.心理状態を示す3つの脈拍パターン
~心拍の 揺らぎが示す リラックス~

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ここで簡単な実験を。

 

まず、ゆっくりと大きく息を吸い込んでみてください。

そのとき、脈拍リズムの速さの変化はどうですか?

 

次にゆっくりと息を吐いていきます。

その際、脈拍の変化を観察してください。

 

息を大きく吸い込むと、心臓の右心房の圧力がマイナスになり、全身からの多くの血液が心臓に還ってきます。

そのため、少し早いタイミングで心臓は全身へ血液を送り出すことに。

息を吐いたときはその逆です。

大切なポイントは「揺らぎ」

ほぼ規則的なリズムですが、若干不安定で不規則性がみられます。

実は、この「揺らぎ」が人間にとって癒しのリズムとなるのです。

「なるほど、わかった、ガッテン!」というだけではちょっと不十分。

医学研究には、何かの因子を測定して数値として記録し比較しなければなりません。

心拍リズムのゆらぎが示す3つのパターン

心臓が収縮するのは電気が流れているためで、心電図の波形を示しましょう。

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最も波が高いR波の先端同士の間隔を100個調べて解析すると、3つのパターンがみられます。

  1. 健常者の人:心拍リズムは若干速くなったり遅くなったり、適度な「揺らぎ」がある。

  2. 糖尿病患者:神経の働きが落ちている人は微妙な調節ができず、「揺らぎ」が少ない。

  3. リラックスした人:副交感神経が優位に働くため「揺らぎ」が大きい。

最近では、このように緊張とリラックスの程度を測定することが可能となりました。

2.揺れと振動がもたらす癒し
~ブルブルと 身体震わす 気持ちよさ~

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さて、あなたが赤ちゃんの頃を思い出してみてください。

などと言われても覚えていないかも。

でも、家族や知り合いの乳児の様子を観察すればわかるでしょう。

 

赤ちゃんはお母さんに抱かれてゆっくり揺られ、気持ちよく眠ります。

おおむね30cmぐらいの距離を左右に、リズムは往復で2秒くらいが気持ちいいのです。

 

あなたの胸に赤ちゃんがいるつもりで、このリズムで揺すってみてください。

「なるほど、この程度がいいなあ。」

 

それでは次に、倍の60cmおよび往復1秒で揺すってみてください。

目が回ってしまい、笑ってしまいますね。

何事にも、ちょうどよい頃合いがあるものです。

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子供は、列車のおもちゃが大好き。

目の前で動くものを目で追います。

 

もう少し大きくなると、車や列車に乗せてもらうのを好みます。

それは、エンジンの音や振動を耳や身体で感じていて、その刺激が心地よいから。

 

思春期から青年期には、列車に憧れたりする人も。

日常生活から脱却して旅行に出かけたり、「新しい世界」を知る機会となるためでしょうか。

​(後編へ続く)

極上の睡眠~トップ・スペシャリストによる快眠コラム

連載第7回は、板東浩先生による眠れる電車音楽の秘密(前編)~「揺らぎ」がもたらすリラクゼーション~でした。

みなさま、いかがでしたでしょうか。

次回の第8回コラムでは、眠れる電車音楽の秘密」の後編をお届けいたします。

今回のお話をベースとして、「電車に乗っているとなぜ気持ちが良いのか」「ドヴォルザークの新世界」等のトピックについて板東先生が語ってくださいます。

どうぞお楽しみに!

今回のまとめ

今回のおすすめ音楽

今回コラムを執筆いただいた板東先生監修「電車音ヒーリング」シリーズより、以下2つのアルバムをご紹介します。

電車に乗っているかのようなバーチャル体験と、落ち着いた音楽によるトレインミュージックを味わえるアルバムとなっております。

​みなさま、電車音で良いリラクゼーション体験を!

★次回のテーマは「眠れる電車音楽の秘密(後編)」です。

【トップ・スペシャリスト プロフィール】

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板東 浩

医学博士
日本抗加齢医学会評議員

日本統合医療学会四国支部長

徳島大学卒業、ECFMG資格取得後、米国でfamily medicineを臨床研修。専門領域はアンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学など。アイススケート選手として国体出場(1999 ~ 2003)。第9回日本音楽療法学会大会長(2009)。第3回ヨーロッパ国際ピアノコンクール(EIPIC)in Japan銀賞(2012)。日本プライマリ・ケア連合学会大会長(2017、高松)。
糖尿病関係の英文医学雑誌4誌のEditor-in-Chief(編集長,2020)。著書30冊以上、印刷物2,000以上、英語論文250以上。「新老人の会」徳島代表。

公式サイト:https://pianomed.org/